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Serialized sculpture
vol.01 衆院総選挙後作品

連載彫刻

 アートと社会状況との接点が小さすぎると感じながら、その接点を少しでも大きくできたら、自分の制作はもっと楽しくなるのではないか?そう考えながら私はこれまで、社会的なニュースなどから発想した作品を制作してきました。その理由は2つ、純粋な立体造形のみには可能性を感じないこと。美術には社会状況との接点が必要だと思うこと。しかし、彫刻は制作に時間がかかり、時間軸に対する反応が弱い。社会ニュース的要素を作品に取り入れていくと、作品が完成する頃にはニュースが風化してしまう。それでも立体表現からは離れられない私。

 今回の展示はそんな状況の中で展示システムから考え直したプロジェクトです。2005年9月13日〜11月27日、11週間のうちの隔週6週間を30㎝立方のセンチ画廊(左下写真)で、制作期間2週間という条件のもと、直近の新聞記事から発想した社会風刺的彫刻作品を引用の新聞記事と共に新鮮に作品化する連載彫刻、12月6日〜12月11日をギャラリーエスSゾーンでそれら連載彫刻を一堂に会し、更にドローイング等も含めた単行本的個展を開催します。

 現在の美術と日常生活との接点を見渡すと アートだからわからない との言葉でかたづけられてしまうシーンが多いように思います。ならば新聞記事を読んでいれば納得できる、というアートは社会との接点を拡げることができるのか?

 なんだろう?かわいいな、と足を止めてもらえる力、それがポップ性。そしてその先に、実は現代社会に対するシニカルな視点がある。取っつきやすいがその裏にキツめの社会諷刺がこめられている。そんな作品を隔週連載というレスポンススピードに重点をおいた彫刻作品で表現する。3ヶ月に渡る、隔週連載での立体作品展示。どうぞご期待下さい。